解毒・殺菌・二日酔い予防・滋養・ガン予防・肝硬変・動脈硬化予防・頭痛・腹痛・老化予防・心臓病・脳卒中
発酵食品が無視されるのは、

日本人にとって、大きな損失。

 味噌の起源は古い。日本の味噌は、発祥地の中国から伝来し、7世紀頃から作られたとの説があるが、縄文人の生活跡から、どんぐりで作った「縄文味噌」と呼べるような食品があったことから、温暖多湿な日本の国土条件が作り出したという考え方もある。

 と言っても、味噌をさらに醗酵させてドロドロにした醤である。醤は原料によって、野菜の草醤、穀類の穀醤、生肉の肉醤(宍醤)、魚の魚醤があり、今で言う漬物・味噌・塩辛の三系統。そして、醤になる前の状態、「未だ醤にならない」、つまり「未醤」が「味噌」になったと言われている。

 鎌倉時代までの味噌は、大豆の粒が残り、調味料兼タンパク質補給源の食べる味噌汁だったが、禅寺ですり、調味料になった。室町時代には現在の味噌となり、庶民の食事に組み込まれた。以後、ご飯は時に雑穀や麦飯となったが、「ご飯に味噌汁」は、日本人の食の基本となって今日まで受け継がれて来ている。

 味噌汁を飲むと高血圧や胃ガンになると信じられていたことがある。これは、塩分を多量に消費する東北地方に高血圧や胃ガンの患者が多く、塩辛い味噌汁を飲むのが原因という疫学調査の結果が大きく影響していた。

 しかし、その後の各種の実験や研究によって誤りが判明した。むしろ、国立がんセンターのグループの発表では、胃ガンによる死亡率が、味噌汁を毎日飲む人に比べ、飲まないほうが高かった。

 さらに、農水省の食品総合研究所の研究グループは、高血圧ラットに味噌の抽出物を飲ませると、24時間後に最大血圧220oHgが25oHg低下したと発表した。

 また、広島大学原爆放射能医学研究所のグループは、遺伝的に肝臓ガンになりやすいマウスを味噌の粉末10%を混ぜた飼料で13ヵ月飼育したところ、与えたマウス31匹中に10匹が、与えなかったマウスは28匹中25匹にガンが発症した。

 これは、大豆に含まれているリノール酸やサポニンが、高血圧や心臓病、ガン予防に有効だからである。また、骨粗鬆症に効果のあるイソフラボン、ビタミンEの抗酸化作用も血液を浄化してガンや老化の予防、風邪などの感染症の初期症状にも即効性がある。

 味噌は、頭痛、頭重にも効果がある。脳卒中のような特別な病気のない頭痛は、脳血管の急激な収縮や拡大によって起こる場合が多いが、味噌の血流促進、血管の柔軟性の保持効果により、これらの不快な症状は改善される。

 他に、コレステロール抑制作用、肝臓の解毒作用を促進することから、ニコチンやアルコールの害から体を守ってくれる。食物・薬の中毒、二日酔い、乗り物酔いに味噌汁は効力を発揮する。

「ご飯に味噌汁」。これは実に理に適っている。味噌は、「味噌の医者殺し」と言われるほど豊富な栄養素を含んでいる。白米に不足しているリジン、失われた胚芽のビタミンB1、B2、鉄、カルシウムなどが摂取できる。

 大豆に含まれている良質のタンパク質は、醗酵過程でペプタイドやアミノ酸に分解されるので、消化は抜群。醗酵成熟過程では、ビタミン類が生成されるので、新陳代謝を促進する。また、麹菌は老化の防止に、乳酸菌は便秘、下痢に効果がある。

 味噌は、塩分に注意して上手に活用したい。塩分を控えたい人は、塩分が通常の50%以下に抑えた減塩味噌や、具材に食物繊維の豊富なわかめや、カリウムを含んだ野菜をたっぷり入れるとよい。食物繊維やカリウムが、ナトリウムの吸収を防ぎ、排泄を助けてくれる。

 発酵食品は、原料となる食材の成分が消化吸収されやすいこと、さらに酵母など有用な微生物を体内に取り入れることで、健康増進に大きく寄与している。納豆、味噌、醤油のように、日本独特の伝統文化、湿気の文化から生まれた発酵食品が、西欧の食事に押されて無視される傾向にあることは、実に嘆かわしいことであるし、また日本人にとっては、大きなマイナスと言えよう。


参考資料=主婦の友社・からだに効く食べもの小事典/日本文芸社・食べもの栄養事典/西東社・クスリの食べ物/柴田書店・食べる日本史  
かきのみそグラタン風

世論時報社・真味第2集より
【材料・4人分】
かき…………200g
焼き豆腐……2丁
ねぎ…………2〜3本
しょうが……1片
油……………少量

 白みそ……200g
 砂糖………大さじ3
 みりん……大さじ3
 だし汁……大さじ3
 柚子………少量
【作り方】
@焼き豆腐は縦二つ切り、横1.5pくらいのそぎ切りにして、グラタン皿に並べる。
Aかきは振り洗いして水気を切り、焼き豆腐の上に並べておく。
Bしょうがはみじん切り、ねぎは小口切りにして少量の油で炒める。
C白みそと砂糖、みりんを加えて、混ぜながら炒め、だし汁でとろりとなるようにゆるめておく。
DBをAの上にかけ、Cの白みそをかけて強火のオーブンで少し焦げ目がつくまで焼く。出来上がったら好みで柚子の千切りを飾る。

 
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